私たちは1971年に海砂の採取事業から歴史をスタートさせました。その後、現在の事業所で山土の採取事業を開始。2000年代に海砂の採取に関する法規制が行われて以降は、軸足を山土の採取・販売に絞り経営を継続してきました。
転機となったのが2006年。建設発生土の受け入れ事業のアイデアに出会い新規参入すると、潜在的な建設業界のニーズの受け皿となり急拡大。事業拡大のために受入地の拡張を模索する中で、地元の方々から強い反対を受けることになります。“残土”を扱う事業に対する漠然とした不信感が背景にはありました。
結果として、2022年に高い安全基準をクリアした国内最大級の建設発生土の受入地が完成し、現在は順調に事業を展開することができています。
そのような紆余曲折を経て、地元の方々とは良好な関係を築けました。一方で、自らの業界に対しては疑問が残ることとなり、見識を深めようと行動はじめた矢先の2021年、熱海で盛り土流出事故が起こったのです。皮肉なことに、それがきっかけとなり”残土”を取り巻く業界の負の側面が注目され、2023年1月1日から資源有効利用促進法省令改正、5月26日から新しい盛土規制法が施行されることになりました。
私たちが先駆けて取り組んできた、安心安全を第一に考える姿勢が、業界全体に求められ始めています。同時に、土の100%リサイクルも推進されはじめ、その変革の勢いは加速しています。
私たちはこうした業界の急激な変化を追い風ととらえ、変化するニーズにいち早く応えるべく、既存事業と並行して2023年3月には大規模なストックヤード事業も開始しました。発生土を取り巻く官・民のマッチングにも貢献しながら、必要な時に、必要な場所に、必要な土を循環させる「ハブ」としての役割を強化していく考えです。これまでの業界イメージを払拭するモデルケースとなり、岡山から業界をリードしていきます。
そしてその先に見据えるのはこの山の未来の姿です。
50年かけ木を植え、森を育てるのと同じように、私たちは土を正しく循環させ、この山をよりよい姿にしていつか地元にお返ししたいと考えています。
それが、地元に生かされ、地元とともに生きる、私たちの素直な想いです。